今回のセッションの概要説明
今回はレベル3で作ってもらう。
4人から5人まで。
ギルドレベルは2で作ってもらう。
300Gで装備を整えてもらう。
女性キャラが居るといいかも・・・と伝える。
奨励会のシステムを説明がいるか、聞く。
奨励会卒業特殊スキル
ウオーリア・竜脈:マイナーアクションで使用。一セッションに一回。防御力・エンゲージ無視で(CL)D6のダメージのダメージをプラス。
消費MPは10
シーフ・完全回避:敵攻撃時。いかなる攻撃(クリティカル含む)も回避できる。一セッションに3度。消費MPは4
鍛え抜かれた感覚:バッシブスキル。感知の判定に+5する。
メイジ・ラストスペル:敵にダメージを与えられた瞬間。カウンター。一セッションに一回。
カウンターとして魔法を発動できる。発動した魔法に(CL)D6+3Dを上乗せ。ただし、次のターンは動けない。消費MP7。
アコライト・アスクレーピオスの祝福:医神アスクレーピオスの祝福を受け、いかなる状態からも全快(戦闘不能・ステータス・HPMP含む)
一セッションに3回。常時使用可能。消費MP9。
装備に守りの指輪をつけてもらう。
今回のハウスルール。
HPMPは宿泊したり休憩したりで回復するが、フェイトはこのセッション中基本的に回復しない。
ギルドスキルはミドルフェイス終了後に回復する。

今回予告
あなたたちが神殿直営の冒険者育成組織『新進冒険者奨励会』を卒業してから、半年がたっていた。
奨励会を卒業している冒険者は、優秀な冒険者として認められている。
事実、あなたたちは優秀な冒険者だった。
冒険者としての仕事は順調。
そうだ、久しぶりに奨励会に顔を出してみよう。
後輩たちをしごいてやるのもいい。
世話になった教官に、現状を伝えに行くのも悪くないだろう。
そう思い立ち奨励会を訪れると、あなたたちは驚くべきことを聞かされる。
あなたたちが世話になった教官、スカーレットがなんと退職するという。
理由は「結婚するから」。
彼女も恋愛関係がなかったわけではなさそうだが・・・どうも今まで縁遠かったらしい。
しかし、今度の縁談はうまくいきそう、とのこと。
「もちろん、今回の縁談はうまくまとまると思うの。でもいままでの恋愛をかんがみるに、私に足りないものに気づいたのよね・・・。それを補うために、
あなたたちに仕事を依頼したいの」と、かつての教官。
彼女が気づいた、足りないもの・・・それは。
「ずばり『萌え』よ!萌えさえ私にあれば、今回の縁談は磐石なものになるわ!一月後の彼の親との顔合わせもうまく行く!」
あなたたちはすぐさま回れ右、をして帰りたくなったが、昔世話になった教官相手では、そうもいくまい。
あなたたちはとりあえず、その仕事の内容を聞くことにしたのだった・・・。

オープニングフェイス
「あなたたちはインターネットって知ってるかしら?」
プレイヤーは知っているだろうが、もちろんキャラクターは知らない。
「ディアスロンドが極秘裏に開発した、異世界の情報にアクセスできるインターフェイスよ。先日、シルヴァに連れられて
ディアスロンド神殿に行ったとき、特別に触らせてもらったの。そのインターネットで結婚占い、ってのをやってみたのよ。すると
『あなたに足りないのは、ずばり萌えです』って出たのよ!それからその「萌え」という意味もインターネットで調べたわ。意味が深すぎて
調べ切れなかったけど・・・なんとなくつかんだ感じはするのよね」
うんうん、と何か納得しているスカーレット。
「で、その『萌え』に関してこちらの世界でも何か文献はないか・・・とわざわざエルクレストカレッジの図書室に行って調べてきたわ。
するとあったの。地の時代に『萌えの賢者』とよばれた、アドリアンの記した文献が(実は適当な文献である)!
その文献によると萌えの要素を格段に高める『三種の神器』がこの世界には散らばっているらしいの。
それを集めてきてほしいわけ。3つのうち2つまでは場所も分かってる」

それならスカーレットがいけば、のツッコミに対して。
「退職するつもりだけど、奨励会での仕事があるから今は離れることができない。
結婚にむけていろんな準備もあるし。だからあなたたちにお願いしてるわけよ」

三種の神器とは?
「詳しくは記されてなかったのよね。ただ「頭に戴くもの」と「身に纏うもの」と「めがね」ってことは分かってるわ」

神器のおいてある場所は?
「ありかの分かっている二つの神器はどちらも個人所有みたいね。両氏も大金持ちよ。ひとりは奨励会にも出資してくれている
ラインの富豪、アクセル=フェルセン氏。このひとはサーカスやホテル、カジノなんかの娯楽産業で一山当てた人物ね。もう一人は
エルーラン在住の貴族、ディートリヒ=ブラントミュラー公爵。
建国当時から王国に使えている由緒正しい貴族で、代々国政を担う重要な役職についている。
それで毎年国から莫大な恩賞(おんしょう)を受け取っているらしいわ。
この二人から神器を譲ってきてもらって。理由を聞かれたら、私のことを話してくれていいわ。
エルーランは遠いから、神殿に転送装置の許可をもらう必要があるわね。
私用で使うことになるけど、シルヴァを抱き込めばどうにでもなるし。
あなたたちは先にフェルセン氏を訪ねてみてくれないかしら?3つ目の神器も、もう一度図書館に行って調べたりしてみるわ」

※アクセル=フェンセン:ラインの町を中心に娯楽産業に手を染め、大成功を収めた商人。
押しの強い性格とばくち好きで知られる。
※ディートリヒ=ブラントミュラー:エルーラン王国に建国時より代々仕える古い血筋の貴族。身分は公爵。
現在の当主、ディートリヒは紳士ながらも女性好きとして知られている。

報酬は?
「・・・これは私の人生をかけた一大事だから・・・。3つすべてそろえた暁には、私の全財産の半分・・・100万Gを報酬としてお渡しする。
冒険者時代と奨励会に勤めてからこつこつためたお金なの。ほんとはこんなにたまる前に結婚するはずだったんだけどね。
前金は報酬が大きいから慣例どおり1/4ってわけにいかないから・・・1000Gでどうかしら?」
とスカーレットはおどけて苦笑いする。

※スカーレットは10歳で奨励会入りし、12歳で卒業して22歳まで一流の冒険者として活躍。(ウオーリア・サムライの10レベル冒険者)
22歳で引退し、今日まで奨励会の教員として、後進の育成に当たっている。

ミドルフェイス1
あなたたちは早速、スカーレットに場所を聞いたフェルセン氏の住所へやってきた。
その住居を見てあなたたちはまず思った。
どんな商売をすれば、こんな立派な自宅が立つのだろう。
フェルセン氏の住居はまるで一国の王が住んでいそうな、城のような建物だった。
大理石で作られた正門の前には、屈強に見える門番が大儀そうに二人立っていた。

門番に話しかけると、うさんくさげに「一体なにようだ?」と聞いてくる。
奨励会のスカーレットの使いのものだ、と説明すると主人が奨励会に出資しているのを知っているのだろう、
「しばし待て」と建物の中に消えていく。
待つこと10分。
門番が戻ってきて「こっちだ」と館の中に案内される。
正門をくぐり、100Mほど歩かされ、ようやく本館の扉の前にたどり着く。
その間に見たもの。
巨大な大理石をくりぬいて作られた噴水、美しい色とりどりの花が植えられた大きな花壇。神話時代の神々をかたどった神像。
とにかく金が余っているような印象を受けた。
扉の前にはしとやかな笑みを浮かべている若いメイドさんが居た。
「ここからは彼女が案内する」
そういって門番は職務に戻った。
「ようこそいらっしゃいました。ご案内させていただくショコラと申します。よろしくお願い致します」
ショコラは単なる同姓同名なだけ。有名魔族とは関係ない。
プレイヤーの疑いが少しでも向くと面白いだろう。
「こちらです」
屋敷の中もやはりというか、成金趣味の装飾品で埋め尽くされていた。
とにかく金のかかった建物のようだ。
階段を上りのぼり、ようやく8階までやってくると、そこには一枚の扉がでーんとあった。
ショコラはノックをすると返事もないのに扉をあける。
返事がない理由は扉をあけられてすぐにわかった。
この8階のワンフロア、ぶち抜きですべてこの屋敷の主人の私室なのである。
とにかく広かった。
ノックをしても聞こえないに違いない。
てくてくとショコラのあとについていくと、40代半ばの男性が、執務机で書き物をしている。
「ご主人様。さきほどお伝えした、奨励会の方たちです」
「うむ。ごくろうだった。下がれ」
そういわれたショコラは「失礼いたします」と優雅に頭を下げて退出した。
「きみたちか、スカーレット教官に用事を頼まれたという冒険者たちは。どのような用件なのかね?」
あなたたちが事情を話すと。
「ああ、なるほど。あれのことか・・・。神器、などといわれているが、値段の付けにくいものであるし、
別に私に必要なものでもない。スカーレット教官が必要だ、といっているなら譲渡を考えんでもない」
フェルセン氏は意味ありげな、それでいて面白いことを思いついた子供のような顔つきになる。
「だが、無条件で譲渡、というのはきみたちやスカーレット教官にも立場があるだろうし、何より、面白くない。そこでどうだね、
これでひと勝負して君たちが勝ったら、神器を譲渡する、というのは」
彼が取り出したのは10枚のカード。
Eカードと呼ばれるものである。

ルール
プレイヤー側が奴隷を持つ。
もちろん奴隷が勝ちにくいので、プレイヤー全員が負けるまでチャンスが与えられる。
ひとりでも皇帝を見破ったら勝ちとする。
フェイトを1点使えば相手のカードを見破るための判定のダイスを振ることができる。
感知10以上でカードを見破ることができる。
もう1点使用すれば、無条件で相手のカードを見破ることができる。

プレイヤーが勝利すると。
「いや、久しぶりに熱の入った勝負になった。楽しかった。商売に成功する前、仲間内で
10Gをかけて真剣にポーカーしたのを思い出したよ。
約束どおり、神器を譲渡させてもらおう」
彼は執務机においてあった通信石を手に取った。
「ショコラか?第3倉庫においてある桐の箱を持ってきてくれ。すぐに分かるはずだ」
通信を切ると。
「いやな。私があれを手に入れたのは偶然なんだ。古物商をしている友人に金を貸していたのだが、結局金を返せなくてね。
仕方がないので店にあったものすべて私に売却する、という形で借金を帳消しにしたんだ。ほとんどがゴミだったんだがね。
その古物のなかにあの神器があった。神器、などといわれているが・・・なんていうかなあ・・・」
フェルセン氏が困ったような顔を作ったとき、ショコラが立派な桐の箱を運んできた。
ちょうど一着の服が収まりそうなサイズだ。
「ご主人様。こちらでいいですか?」
「うむ。それだ。ご苦労。彼らに渡してくれたまえ」
ショコラはそれを聞くと「では・・・お渡しいたしますね」ギルドマスターにそれを手渡すとまた部屋を出て行った。
「あけてみてくれ」
促されるままあけてみるとそこには・・・
やたら胸を強調した、奇天烈なエプロンドレスように見えるが・・・。
キャラクターはもちろん分からないが、プレイヤーは知ってる人も居るかもしれない。
かの有名な、アンミラの制服である。
フェンセン氏は語る。
「いやね?私は悪くないと思うんだよ?ってか、いいデザインだと思ったんだよ。
だから私の屋敷で働いているメイドたちの衣装をこのデザインに切り替えようとしたんだが・・・なぜかメイドたちに
猛反発を食らってね?仕方なく廃案にしたんだ」
ふはあ、と至極残念そうにため息をつくフェンセン氏。
あなたたちは愛想笑いを浮かべて、その場をあとにしたのだった。

スカーレットに預けてもよいが、普通に防具としても使用できる。
スペックは以下のとおり。
天使のエプロンドレス
レベル1・重量2・回避修正0・防御力+4・行動修正+2・装備部位:胴部・クラス制限・女性の全クラス
加護の魔法がかかっているのか、非常に軽い。
回避の判定にダイス+1。
それに関してスカーレットは「今回の依頼の役に立つなら、ぜひ使ってちょうだい」とのこと。

神器のひとつを無事に手に入れ、奨励会に戻るとスカーレットはすでにシルヴァを抱き込んだようだった。
「オーケー。転送装置の使用許可が下りたわ。(あっさり許可が下りたことについてのツッコミがあれば)まあ、シルヴァも
いろいろ脛に傷を持つ身、ってことよ。早速これをもってエルーランへ向かってちょうだい」
手渡されたのはシルヴァの署名入りの書簡だった。
3つ目の神器のことについて聞かれたら
「まだ詳しいことは分かってないの。何か分かったら、こちらから連絡するわ」
「相手は有力貴族だから。自分で言うのも難なんだけど、奨励会の教官ぐらいが謁見を願ったところで
門前払いになっちゃうのが関の山なのよね。だからシルヴァに謁見のお願いを書かせたわけ。
あいつもああ見えて、お偉いさまになったのよねえ・・・トラベルガイドにも載ってるし」
うんうん、とうなずくスカーレット。
「カナンの神殿に行けば、すぐに転送してくれるはずよ。お願いね」
あなたたちは早速神殿へ向かうことにしたのだった。

カナンの街へは徒歩で半日ほど。
ここで全員で幸運判定。
ファンブルか10以下を出した者がいたら、戦闘に入る。
グレムリン3匹:エンゲージは同じ
ベア1匹:別エンゲージ
(プレイヤーが5人の場合はグレムリンを1匹増やす)

ミドルフェイス2
カナンの街に到着したあなたたちは、早速神殿を訪れる。
受付のアコライトに事情を話すと、すんなりシルヴァの執務室に通される。
そこにはちょっと機嫌の悪そうなシルヴァが執務机に向かっていた。
「あー・・・待ってたわよ。スカーレットも無理いってくれるわね。まあ、無理を言い合うのはお互い様、ってところかしら。
言われるほうはたまらないわよね?」
はあ・・・ため息をつき、あなたたちに同意を求めつつ、シルヴァはあなたたちを転送装置の間へ案内してくれた。
「書簡は持ってるわね?それがあれば門前払い、ってことはないから。相手は有力貴族だから、
粗相のないようにしていたほうが無難ね。あと・・・聖エルーラン大神殿はふだん市民も入(い)れないような、閉鎖的な神殿なの。
多少、不愉快な思いもするかもね・・・ともかく、気をつけていってらっしゃい」
シルヴァがバイバイと手を振ったところで、あなたたちは体が投げ出されるような感覚に襲われた。
転送装置が作動したのだ。
次の瞬間目に入ってきた光景は、先ほどとはまったく違うものであった。

転送装置担当のアコライトだろう、一人の男性があなたたちを出迎えた。
「歴史と伝統を誇るエルーラン王国へようこそ。あなたたちのことはベアトリス枢機卿(すうききょう)
からうかがっております。なんでもブラントミュラー公爵に謁見しに来られたとか。遠いところお疲れ様です」
言葉遣いは丁寧であるものの、明らかに外部者の神殿への侵入を快く思っていなさそうな雰囲気をしている。
「ブラントミュラー公爵の居城は・・・こちらです。ここから近いですよ」
あなたたちは一枚の地図を受け取った。場所はこの神殿を出て東へ数百メートル、といったところか。
「お気をつけていってらっしゃいませ」
早く追い出したいのだろう、地図だけ手渡すと、男性アコライトはにっこり微笑んでそういった。

ブラントミュラー家の居城はすぐにみつかった。
なんせ、神殿を出たらすぐにその居城が見えたのである。
さすがに神殿と同じ敷地内にあるこの国の王の居城、銀嶺(ぎんれい)城ほどの大きさはないが、
このログレスの建造物の中でも1、2を争う大きさだろう。
だてに公爵の地位を与えられているわけではなさそうだ。
城に近づくと、槍を装備した二人の女性兵士が、門番としてたっているのが見えた。
どうでもいいが、どちらも顔で採用したのか?と思うほどの美人だった。
あなたたちが城に近づこうとすると。
「なに用か」
二人の女性兵士が槍を交差させ、あなたたちの行く手を阻んだ。
「ここは公爵・ブラントミュラー様の居城。みだりに近づいてはならぬ」
あなたたちが事情を話し、シルヴァからの書簡を手渡すと
「カナン大聖堂のシルヴァ様からのご紹介か。しばし、待たれよ」
女性兵士の一人が書簡を手にして城の敷地内へと消えていく。
待つこと20分少々。
ようやく先ほどの女性兵士が戻ってきた。
「大変お待たせした。ブラントミュラー様はあなたたちを歓迎するとのこと。私に付いてまいられよ」

フェンセンの屋敷もたいがいだったが、ここは桁が違っていた。
とにかく広い。
それでいて庭園の手入れは完璧に行き届いており美しく、桃源郷というものがこの世に実在するなら、このような場所のことなのだろうな、
と思わせるほどだ。
「美しかろう。ブラントミュラー家の庭園の美しさはエリンディル一と誉れ高いのだ」
きっとこの城に勤めることはエルーランの市民にとってステータスのひとつなのだろう、そういう彼女の顔は誇りに満ちていた。
200Mも歩いただろうか、ようやく城の入り口にたどりつく。
大理石でできた大きな扉の前には、メイド服に身を包んだ、若い女性が立っていた。
やはり、相当な美人だった。
「ここからは彼女が案内する。では失礼」
ここまで案内してくれた女性兵士はあなたたちに一礼すると、また自分の職務に戻っていった。
若いメイドは丁寧な口調で挨拶してくれた。
「ようこそブラントミュラーの居城へ。皆様の案内役を仰せつかりました、ショコラと申します。本日はよろしくお願いいたします」

※たぶん、またショコラかい、というツッコミがあるだろうが、単なる偶然である。
 あっちはロング、こっちはショートカットである。
 プレイヤーが何か疑ってくれるとうれしい。

あなたたちのいぶかしげな態度に、ショコラは首を傾げるばかりだった。

城のロビーには、大きな魔法陣が描(えが)かれていた。
「この城は広大なので、あちこちにこのような移動の魔法陣を設置してあります。
私たち使用人は呪文を唱えることで、城内にある任意の魔法陣に移動することができます。
魔法陣の中にお入りください。あるじの部屋に向かいます」

投げ出された感覚を感じたあと、あなたたちはまったく違う景色の場所に移動した。
目の前には古めかしく、それでいて威厳を感じさせる大きな木の扉があった。
その木の扉に似つかわしくない、きらめく六角形の青い石がはめてある。
ショコラはそれに話しかけた。
「ご当主。お客人を連れてまいりました。・・・はい。ではお連れします。皆様、当主がお会いになるそうです」
ショコラが呪文を唱えるとボウ・・・と木の扉が薄い光に包まれる。
それから、ノブに手をかけた。
どうやら合言葉がないと開かない魔法がかかっているらしかった。
開けられた部屋は、とにかく広かった。
そのわりにがらん、としている。
目に付くものは天蓋つきのベッドと美麗な細工を施した、マホガニー製であろう、贅を凝らした執務机。
その執務机にまだ20代前半ぐらいの若い男性が向かっていた。
相当なイケメンであることをお伝えしておく。
彼がディートリヒ=ブラントミュラーだった。
彼は椅子から立ち上がると、優雅な動作で挨拶する。
「ようこそブラントミュラー家へ。(女性キャラが居れば)特に美しい淑女は大歓迎です。
もちろん、そちらの紳士たちも歓迎ですよ。シルヴァ殿からの書簡は読ませていただきました」
笑みを絶やさぬまま、ディートリヒはまた椅子に腰掛ける。
「我が家にある、神器を必要としていらっしゃるとか。
あの神器ですか・・・。別に私に必要なものありませんし、
シルヴァ殿のご友人が必要とされているのであれば、もっていってくださって一向に構わないのですが」
ディートリヒは少し困った表情を浮かべる。
「その神器が安置されている場所、というのが安全な場所、とはいえないところでしてね。
神器は何代か前の当主が、ある冒険者から買い付けたもののようです」
そうディートリヒは説明してくれる。
「私たちの祖先が、雇う冒険者たちの腕を見るために作ったテストダンジョンがあるのですが・・・
そこに神器は安置されています。
いまでも私が冒険者を雇うときに、実力を確かめるのに使用していますよ」
彼は執務机から豪奢な装飾を施したカギを取り出した。
「神器は昔から冒険者から買い取った珍品などを収めるために使っている
最奥部の部屋の、一番奥に安置してあるはずです。
その部屋にはカギがかけてありますので・・・これを使ってカギを開けてください。
神器は封印されていますが、その魔法のカギを掲げれば封印は解けるはずです。
普段冒険者の実力を見るときは、そのひとつ前に部屋においてある水晶を持って帰ってくれば合格にしています。
ここまでお話させてもらえれば、もちろん予想されているでしょうが、
ダンジョンには冒険者の力や知恵を試す仕掛けがさまざまに配置されています。
それとあの神器には・・・」
何か言いかけたが、ディートリヒはあいまいな笑みでそれをごまかした。
「まあ、行ってみれば分かります。みたところ、あなたたちには立派なアコライト殿もいるようだ。心配要らないでしょう。
お気をつけていってらっしゃい」

ダンジョンはなんと城の敷地内にあり、入り口までショコラが案内してくれる。
「このダンジョンで亡くなった冒険者の方、というのはさすがにいらっしゃいませんけど、大怪我をしてしまってほかの冒険者に
救出される羽目に陥った冒険者の方は結構いらっしゃいます。くれぐれもご注意くださいね」
ショコラの微笑を背に、あなたたちはダンジョンの闇へともぐっていった・・・。

ダンジョンマップは別紙参照のこと。

ダンジョン最奥部にて。
目の前には頑丈そうな鉄の扉がそびえ立っている。
しかし、鍵穴にカギを入れると、あっさり開錠され、扉は音も立てずにすんなりと開いた。
部屋にはさまざまなアイテムが整然とショーケースみたいなものに入れられて並べられている。
マジックアイテムから、なにに使うか分からない、どうみてもガラクタにしか見えないものまで。
あなたたちはそれを横目にみながら、部屋の一番奥まで進むと・・・。
あった。
おそらく、これだろう。
ひときわ目立つショーケースにそれは入れられていた。
これはなんというか・・・ただのめがねのように見える。
あなたたちがショーケースの封印を解こうとカギを掲げたときだった。。
「触るな!」
どこからともなく、そんな声が響く。
「このめがねは私のものだ!誰にも渡さない!」
ショーケースから突然、ゆらゆらとした人型の物体が姿を現した。
あなたたちはこの亡霊(ブラントミュラーの祖先)の説得を試みるが、まるでムダだった。
「おいで、僕のかわいいお嫁たち!」
亡霊がそう叫ぶと、がしゃん!とショーケースの割れた音が聞こえてきた。
20センチほどの大きさの二体の人形が、亡霊の前に飛んでくる。
人形のひとつは、ウエイトレスの格好をした少女の人形。
ひとつは、魔法使いのような格好をした人形。
(ここでエネミー識別が可能。見破られた場合、エネミーのデータ<別紙>を公開すること)
「いくぞ!」
戦闘開始である。

戦闘に勝利すると。
「ま、参った・・・これ以上痛めつけないでくれ・・・」
亡霊はげっそりとした様子でそうつぶやく。
「生前萌えの魅力に取り付かれ、死してなお執着でこのめがねに取り付いていたが・・・
おかげで目が覚めたよ。これを必要としている人がいるなら、持っていってくれ。子孫にも、
そしてあなたたちにも迷惑をかけてしまった。お詫びにあなたたちのフェイトを1D6回復して差し上げよう。
それと・・・メガネを安置していたショーケースをよく調べてみてくれたまえ」
あなたたちがそこを調べるとずいぶん古めかしい地図が一枚出てきた。
「神器のひとつが安置されている場所の地図だ。
危険な場所にあるので、仕事を引き受ける冒険者が当時はいなかったのだが。
きみたちならもしかしたら・・・」
その地図には図形以外にもいろいろ書いてあるが、残念ながらあなたたちの知識では解読できないようだ。

これも判定であるため、プレイヤーの指摘があったときは
悪い目のときはフェイトを使って振りなおしてよい。

彼はそういい残し、あなたたちのフェイトを回復した後、満足そうに幽界へ向かった。
あなたたちは「魔防のめがね」を無事に手に入れることができた。

魔防のめがね
レベル1・重量1・回避修正0・防御力1・魔法防御4・装備部位:装身具・クラス制限:女性の全クラス
魔法のかかっためがね。魔法防御に優れる。

シーンはふたたび、ディートリヒの私室。
「そうですか・・・やはり襲い掛かってきましたか。いや、申し訳ない。以前神殿から司祭を招いてあの祖先殿の説得に当たって
もらったことがあるのですが、幽界に帰っていただくことができなくて。あれから時間もたっているし、ひょっとしたら
あなたたちの説得で幽界に帰っていただけるかも、と思ったのですが・・・甘かったですね。私たちもあの亡霊殿を何とかしたい、
と思っていたのですが、相手がご先祖様では手荒なこともなかなかできなくて・・・」
申し訳なさそうに頭を下げるディートリヒ。
「約束どおり、それは持っていって下さってかまいません。私のほうも助かりました。
ご先祖様に幽界に帰っていただくことができましたので。
しかしあのダンジョンをやすやすとクリアして帰ってこられるとは。
あなたたちはなかなか優秀な冒険者のようですね。
なにかのおり、私から仕事を依頼させていただくこともあるかもしれませんね。
そのときはよろしくお願いしますよ」
ディートリヒはギルドマスターに笑顔で握手を求めてくる。
あなたたちのギルドは有力な貴族とのコネクションを手に入れたようだ。

ここでレベルアップ作業をしてもらう。
キャラクターたちは4レベルになることになる。
ギルドレベルも1上がることとする。

ミドルフェイス3
スカーレットの元(ラインの奨励会)に戻ると、彼女はやたらとハイテンションだった。
「お疲れ様!ついに二つめの神器も手に入れてくれたのね。3つ目の神器のありかなんだけど・・・
まだつかめていないのよね」
そういう彼女に手に入れた地図を渡すと。
彼女はかなり神器に関して研究を重ねていたらしく、この地図をあっさり解読した。
「ここは・・・エリン山脈に連なる山の一つ、スパンティーク山(実在する山の名前を参考)の
山頂ね。
そこに萌えの女神とやらを祭ったほこらがあるようね。
この地図によると、なんでも地の時代の末期に建立(こんりゅう)されたものらしくて
いままで放置されている。
そこに3つ目の神器が安置されているってわけね。
大変な冒険になると思うけど・・・これが最後だから、がんばってね。
あと、これで装備を万全にしてから登山に望んでちょうだい」
あなたたちは4000Gを受け取る。
「シルヴァにはもう話を通してあるわ。カナンの転送装置でディアスロンドまで運んでもらって」

やはりカナンまでは徒歩で半日かかるので、上記と同じ処理を行うこと。
参考までに
(全員で幸運判定。
ファンブルか10以下を出した者がいたら、戦闘に入る。
グレムリン3匹:エンゲージは同じ
ベア1匹:別エンゲージ
プレイヤーが5人の場合はグレムリンを1匹増やす)

あなたたちは早速カナン大聖堂にやってきた。
シルヴァに面会を求めたい旨を受付アコライトに伝えると、あっさりと執務室に通してくれる。
シルヴァはやはり、不機嫌そうなオーラをかもし出していた。
「いくら友人のため、とはいえねぇ・・・。
仮にも聖都と呼ばれるディアスロンドに私用で転送ですか。
・・・これが最後らしいから、もうこれ以上言わないけど。
いってらっしゃい」
あなたたちは転送装置で、あっというまに聖都ディアスロンドに送り込まれたのだった。

さすがに神殿の総本山なだけあって、転送装置が設置されてある部屋も、シンプルながら荘厳さにあふれていた。
一人の女性神官が、あなたたちを笑顔で出迎えてくれる。
「ようこそ聖都ディアスロンドへ。お話はシルヴァ殿から伺っております。なんでもスパンティーク山に祭られてある
忘れられしほこらに参拝に行くとか」
彼女はそのほこらがなにを祭っているものなのか、知らないようだった。
おそらく七大神の一柱を祭っているもの、とでも思っているのだろう。
「私も一応神学を学ぶ身でありますが、そのようなほこらの存在は聞いたことがありませんね・・・。
スパンティーク山はかなり危険な山なんですよ。険しい上に、魔物も生息していますから・・・。
十分装備を整えて、万全を期して登山なさってください。これがスパンティーク山までの地図です」
準備が整っていれば、早速スパンティーク山へ向かう。

ディアスロンドはエリン山脈の中腹に位置しているので、スパンティーク山5合目からスタート。
五合目・・・直立にそびえ立つ岸壁が目の前にある。
筋力・器用で判定。
12・12が成功値。
両方成功すれば上りきれる。失敗すれば落下したとして1D6のダメージを受ける。
一人でも成功し、冒険者セットを持っていれば、あとは縄で助力してよい。
その場合はファンブルしない限り、成功とする。

七合目・・・幅はそれほどないが、かなり流れの早い川が流れている。
この標高まで来ると、川の水はかなり冷たいことだろう。
ちょうどいい具合に、飛び石が3つほどある。
あれを使えば渡れそうだ。
敏捷で3回判定。
達成値は13。
失敗すれば1D6のダメージを受ける。
落ちた岩からやり直し。

九合目・・・あと少しで頂上だ。
あなたたちの目の前には、かなり深い谷間が不気味に姿を見せている。
落ちれば無事ですまないだろう。
しかし、安心してよい。
谷間の間には細くて古いつり橋がかかっているから。
よほどのことがない限り、落ちはしない・・・と思う。
敏捷で判定。
達成値は9。
失敗すれば7D6+10のダメージ。
一人でも向こう側に行かない限り、引き上げてもらえない。
冒険者セットもフライトもない場合、置き去りとなる。

クライマックスフェイス
ようやく山頂にたどり着いたあなたたちの目に、奇妙な建造物が目に飛び込んできた。
それはほこら、というより、小さい女の子がままごとに使っていそうな、ファンシーな感じのまるでオモチャの家のよう。
しかしそのファンシーな建造物はあちこち痛んでおり、相当な年月放置されていたのを物語るようなたたずまいだった。
傷み具合とファンシーな感じが、なんともミスマッチだ。
そのほこらの中に、無造作に白いカチューシャが置かれている。

エンハンスカチューシャ
レベル1・重量1・回避修正:なし・防御力:+2・行動修正:なし・クラス制限:女性キャラのみ
強い魔力が込められているカチューシャ。使用した魔術の効果に+1D6。

あなたたちがそれを手に取ると・・・。
もあもあもあーとピンク色の煙が立ちあがり、それが晴れると15歳くらいの女の子が祭壇に立っていた。
まんまるい瞳に、ツインテール。
愛らしい感じだ。
「ん〜・・・現世に戻るのも久しぶりですぅ。くんくん。火の香りがしますね。ってことはぁ。地の時代は終わって
無事に火の時代を迎えたのですねぇ」
妙にしたったらずなしゃべり方。
あなたたちがあなたはなにものだ?と問いただすと。
「あー・・・申し遅れました。私、萌えの女神なんて呼ばれているアリス、っていいますぅ。
いやいや、助かりましたぁ。私、ここに封印されてたんですよぅ」
彼女はにっこり微笑んで、あなたたちにお礼を言う。
なぜ封印されていたのか、と聞くと。
「んー・・・地の時代の最終期に神々による大粛清が行われたんですねぇ。もちろん、私もいちおー神様なので
その粛清を手伝っていたんですがぁ・・・ちょっと粛清しすぎちゃってぇ。
ほんの1000万人ほどなんですけどねえ。それでほかの神様たちに怒られちゃって、封印されてしまったんですぅ」
あくまで笑顔で語る彼女。
「まあ、粛清はシュミなようなものですのでぇ。せっかく現世に戻れたのですから、また再開したいですぅ。
・・・手始めにあなたたちから粛清しちゃいまーす♪」
彼女は聞く耳など持たないようだ。
かわいらしい笑顔とは不釣合いの殺気が、彼女から立ち込める!
ここで戦闘開始だ。

「うーん。そちらは4人(5人)ですかぁ。私も応援呼んじゃいますよ?」
彼女がなにやらつぶやくと、彼女の前に魔法陣が出現し、その魔方陣から圧倒的な闘気が立ち込める。
現れたのは・・・甲冑を着込んだ一人の騎士。
「地の時代に私に仕えてくれていたナイトですぅ。結構強いですよ?」
これで彼女のマイナーアクションは終わり。

先ほど手に入れたエンハンスカチューシャは、マイナーアクションを消費すれば装備できることとする。

戦闘に勝利すると。
「ふえええええん。私の負けですぅ。もういじめないで」
戦闘の興奮から冷めたのか、そういうと彼女はぺたり、と座り込んだ。
「しかし人間たちも強くなったものですねぇ。反省しました。
反省文20枚書いて、神界に帰ったら提出して、過去の行いの罰を受けることにしますぅ・・・。
あ、私の作ったかわいいアイテムたち、大切に使ってねー。それじゃ!」
そういうと彼女は神界に帰ったのだろうか、現れたときのようにピンクの煙にもあもあもあーとつつまれて、姿を消した。
ともかく、依頼は果たした。
スカーレットのところへ戻ろう。

エンディングフェイス
ラインの奨励会に戻り、今回の顛末をスカーレットに報告する。
「なるほど・・・それは大変だったわね。ほんと、お疲れ様。では3つの神器をこちらへいただけるかしら?」
あなたたちが3つの神器を手渡すと
「これが・・・じゃあ早速身に付けてくるわね!」
それを受け取るとスカーレットは教官室へダッシュした。
待つこと5分。
「じゃーん!どうかしら?萌えるかしら?」
現れたのは・・・。
奇抜なメイド服に身を包み、カチューシャをつけてメガネをかけた
ウォーリア・サムライであるはずの教官殿の姿だった。
似合う似合わないは、それぞれの感性だろう・・・。
「うーん。悪くないわねー。これで彼も、彼の親も私に一目置いてくれるに違いないわ」
まあ、いろんな意味で注目はされるだろう。
「報酬は・・・はい」
彼女は制服のポケットから一枚の紙を取り出した。
「100万Gの小切手よ。銀行に行けばすぐに取り替えてくれるわ。今度顔合わせの結果を報告するわね」

後日談。
スカーレットに聞いたところによると、神器のご利益もあったのか、顔合わせはまあうまくいったようである。
服装に関しては『個性的な方ですのね』で、それ以上はつっ込まれなかったようだ。
彼氏はすこぶるその格好が気に入ったらしいが。
彼女は無事に来月、結婚式を挙げることになった。
奨励会の教官は辞めないらしい。
「へんに所帯じみちゃうこというと、やっぱり生活していくのにお金は必要だしねー。それに・・・」
彼女は遠くを見つめて
「奨励会は、私の原点だからね・・・」
ポツリともらした。
ここから各人のエンディングに移る。

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